校長からのメッセージ4/16(木)
新型コロナウイルスの流行を機に、「社会的距離」という単語を耳にするようになりました。社会的距離(ソーシャル・ディスタンシング)とは、伝染病の感染を防ぐため、公共の場所で他の人と距離を取る考え方のことです。国によって若干スタンスは異なるみたいですが、概ね1~2メートル程度離れるのが望ましいとされているそうです。
日本でも、なるべく外出をせず接触をしないで日々を過ごすということが強いられています。見えないウイルスという敵に対し、本来は手を取り合って一丸となって戦わなければならないのに、行動としてはお互いに距離を置いたり、社会から離れて生活することを強いられたりして、社会活動から断絶した状態を強いられています。なんだか矛盾した状況です。
皆さんも、基本的には毎日を家の中で過ごす生活が続いているのだと思います。本当であれば、4月から関東第一高校で多くの新しい出会いを体験し、団体生活の中で泣いたり笑ったりのキラキラした毎日を過ごせたのであろうと思うと、私も心が痛みます。青春の時期に一番大切なことは、多くの大切な仲間と出会い、仲違いや仲直りを繰り返しながら、社会的距離を縮め、お互いのことを根本から理解することだと思っているのです。私も早く皆さんに会いたくて仕方がありません。
先が分からない不安の中で、また孤立を強いられている状況で、なんだか気持ちも塞いでしまいますよね。でも、この不自然な生活には必ず終わりが来ると信じています。その時までは、この関東第一高校のスタッフたちがインターネットを経由して、Webの授業を提供したり、ホームルームを展開したりして、全力でサポートしたいと思っています。こんな時期だからこそ、どんな手段であっても、人と繋がるというのはとても貴重なことです。物理的な社会的距離を縮めるのはまだ先のことになりますが、「クラスルーム」を通じて精神的な距離は縮められるのではないかと思います。お互いを信頼し、また気遣うことで、物理的には離れていても、温かい気持ちを共有できるのではないかと感じています。
皆さんも早く、学校に登校したいと思ってくれていると思います。きっと担任の先生方も同じ気持ちです。学校が再開するまでの間、物理的に離れたところから、精神的には寄り添って支えていけたらと思っています。その日まで、お互いに一緒に頑張りましょう。
もし困ったことがあったら、いつでも気軽に声をかけてください。
校長 渋谷 実