関一ブログ

近隣中学教員向け英語科研究会開催

英語教育研究会
〜区立中学の先生をお招きして〜

日時:2020年11月20日(金)8:55〜11:00
場所:LL教室
概要:All Englishで英語「で」学ぶ授業を展開するにあたり,生徒が夢中になる仕掛け,クラス内の学力差による飽きを生まない教材作りを意識した授業研究。本校の英語科教員と江戸川区立中学校の教員との2名で授業を実施し,それを踏まえて意見交換を行う。
授業者:丸橋由佳(本校国際交流主任),渡邉志帆(江戸川区立松江第五中学校)
本校参加者:渋谷実(校長),加藤雅子(教頭),三原直也(教務・学習指導部長),他6名
江戸川区立中学校参加者:荒巻淳(校長・松江第五中学校),他8名

進行:8:55〜9:45 授業実施(丸橋,渡邉)
   9:55〜11:00 意見交換会

授業内容
SDGs(持続可能な開発目標)をテーマに授業を実施。これまでに,マイクロプラスティック・絶滅危惧種・AI技術・見合い結婚と児童の権利・ファストファッション等について学んでおり,本時はそれらの問題への解決策を学ぶ。

①World Quiz
Kahoot!を使い,世界の現状についてのクイズにペアで取り組む。

②Talk in Pairs
食糧危機の問題を解決するアイディアについて意見交換をする。

Video 1
ネイティブスピーカー向けの動画を見て,解決策の一つが何かを聞き取る。

Vocabulary
次のタスクで必要な語彙を学ぶ。ペアを変えてBack to the Board の活動をし,知っている単語で言い換えながら相手に伝える練習をする。

Video
ワークシートに沿って,解決策の利点を予想する
→動画を見ながら答えを聞き取り記入する
→スクリプトを配布し、答えの根拠を確認する

③Pair Discussion
今回の解決策について,ペアで意見交換をする。

意見交換会(一部抜粋)

■教頭挨拶
加藤
「本校は高校単独校として,公立中学校からお預かりした生徒さんの希望進路実現を目指し,教育活動をしている。今回は英語教育について,高等学校での授業と公立中学校での授業のスムーズな接続をするべく,意見交換をしたい。」

■授業者自評
丸橋   オールイングリッシュの授業へのこだわりについて,教員が妥協しないという姿勢が大事である。この授業内だけでなく,授業後に自分がいないところでもどう前向きに学べるかというところも意識しながら,授業作り,教材作りをしている。

渡邉   英語でやることに対して,どうしても妥協してしまうことがある。しかし,今回の授業でAll Englishの方がむしろ学力のレベル差が埋まっていくことを実感した。高校ならではの題材の面白さもあり,生徒の興味を引ける授業となった。

■意見交換
竹田       授業の導入におけるICT活用の有用性を実感した。活用例をもっと教えてほしい

丸橋       今回はKahoot!を使用した。特にEssay Writingの1st Draftの文法上の間違えやすいポイントをゲーム感覚で示せる。他にQuizlet Liveもよく使っている。

若狭       生徒は日本語も使っているが。

三原       そもそもの課題の設定レベルが高いので,場面によって生徒が日本語を併用することは良いのではないか。むしろ英語を強要することによるリズムの悪化は,本来の目的とズレてしまう。

丸橋       タスクに必要な問いかけ方・答え方などは,タスクの前に英語で提示している。何を先に教えておくべきか,どんなタスクなら対応可能かを考えておくことが必要。Listeningの後半のタスクも段階的にListening力を高めていく。

秋山       普段Readingの授業をしたときに,どうしても従来の授業形式から抜けられない。

三原       今回の授業では,課題に対する予測,Listeningの後,スクリプトが配られた。そのときのスクリプトの読解の速さがすごい。

丸橋       和訳を扱うときは,4人グループで口頭で和訳をさせる。口頭なのであまり時間を掛けない。精読をやるときには,十分に内容が分かっている状態でやる。

宮          fluencyとaccuracyのどちらも大事だと思うが,両方をと考えると難しい。

丸橋       fluencyが絶対に先だと考えている。生徒が喋っている間に,いろいろな表現をメモし,とても良い表現と,惜しい表現の両方を黒板に書き出す。1回トライしたあとにフィードバックをする。Speakingはどんどんペアを変えることが大事。Writingにおいても,教員のフィードバックはミスだけを取り上げる傾向にある。真っ赤でもう読みたくないと生徒が感じてしまう。Correction Codeでフィードバックなど,工夫をしている。

茅野       All Englishをやろうとすると子どもは固まってしまうのでどうしても日本語を使ってしまう。苦手な生徒は最初のアクティビティで諦めてしまう。教材,発問の工夫を知りたい。

丸橋       生徒がカスタマイズできるような教材を作っている。Readingでは,横に分からなそうなつまずきそうな単語をリストアップし,必要な人だけ裏面に書かれた意味を確認できる。Writingでは,例えば早く書けた人は,agreeとdisagreeの両方の意見を書いてみるなど。どんな生徒でも50分忙しくなるようにしなくてはならない。さらに授業後に何をしてほしいかを必ず入れておく。もらった教材でどこまで生徒たちが到達すればいいかを分かるようにしている。

荒巻       ICTの環境が充実していて羨ましい。ICT機器を導入しても,公立中学校はセキュリティを厳しくしなければならない。その枠の中で授業を展開していく。新しい教育の視点として,何を学ばせるか,どう学ばせるかを教科を超えて考えていきたい。このような繋がる場を今後も大切にしていきたい。

■結び
渋谷       生徒のやる気を引き出して、生徒が伸びたって実感することが教員の生きがいである。生徒のやる気スイッチを押すため,今後も研究会をしていきたい。

Return to Top ▲Return to Top ▲