コロナに関する募金活動のご報告
3月24日(水)に大田区の荏原病院にお招きいただき、院長の黒井様をはじめ他6名の方々に貴重なお時間を賜り、寄付金・寄せ書きの伝達式及び感謝状授与式に出席させていただきました。
2年6組松下君の発案と2年9組三林君の支援で始まったこの活動は、2月25,26日に呼びかけ開始、3月4,5日のみ募金活動という短期間での実施でしたが、2年1組の生徒会長遠藤君をはじめ北見さん、平岡さん、矢作君、2年2組阿部さん、2年5組兒玉君による自主的な活動支援と、賛同いただいた多くの皆様からのご協力をいただきました。2年1,8,18,19組の学級運営費残金の一部を含め寄付金総額は129,191円となり、医療従事者の方々への感謝の寄せ書きも全部で653枚集まりました。
以下、当日伺ったお話や、発起人の生徒からのメッセージをご報告します。ぜひご覧ください。
黒井院長からのメッセージ
この度は、寄付金と寄せ書きを頂きまして、誠にありがとうございます。公社を代表して当院が受け取るという形ですが、全体で寄付金を活用させていただき、また寄せ書きも各病院で共有していきたいと思います。
関東第一高等学校は歴史のある学校で、特に我々の中では野球が強いと存じております。是非応援していますので今後も頑張っていただければと思います。また、当院は明治31年に設立されています。負けないくらいの歴史がありますけども、もともと感染症、当時は赤痢や腸管感染症などに対応するという形で設立されました。それ以来の歴史があるわけですけども、今は総合病院として感染症も大切にしながら医療を提供している形になります。この約1年、特に今年に入ってからコロナの患者様が非常に増え、ほとんどの入院患者様がコロナの患者様となっています。
このコロナ対応がどのくらい続くかというのは誰も分からないという状況の中で、皆さんは不安の中、学生生活を送らないといけないと思います。おそらく卒業式、入学式など色んな行事に制限があるのではないかと思いますし、感染対策を十分にしながら、学問あるいはスポーツを頑張っておられると思います。ですが我々はいつか克服できると思いますので、一緒に頑張っていきたいです。
我々も応援しています。また皆さんも、全ての医療従事者が頑張っていますので応援していただければと思います。
学内で募集した質問とそのご返答
Q1. 医療従事者の方々は、毎日ゆっくり寝ることができているのか
A1. 感染症に対応するということは我々も健康でいなければならないので、よく食べてよく寝ることが大切です。よく遊ぶということはできていませんが、健康に留意しながら、みんな頑張っています。病院は24時間で開いていますが、交代で勤務しています。ご心配いただきましてありがとうございます。
しかしながら、医療従事者の数が少ないと言うこともありますので、医療関係の道に進んで頂く方が増えて、一緒に仕事ができると我々ももっと助かるかと思います。ぜひお待ちしております。
Q2. 医療従事者の方は、暮らしぶりにどのような制限がかかっているのか
A2. 当然勤務中は十分注意していますが、日常生活も注意しなければなりません。特に医療従事者は患者さんを助けなければいけないという立場ですので、普通の方より一段厳しく自ら率先して感染対策をしなければいけないと自覚していますので十分注意していると思います。
いわゆる三密などの対策が取られている所は感染するリスクはかなり避けられると思います。逆にそういった感染対策が取られていないところにはうかつに近寄らないようにしています。
マスクを外した会食などでは、隣の人との会話というのが面と向かって会話をするよりリスクが高いと言われています。そういったところも十分注意していれば対応できるのではないかと思います。
Q3. 高校生として気を付けるべきことなど、メッセージはありますか
A3.
①院長 黒井様より
私自身も高校生だった頃、友だちと遊んだりとか、クラブ活動などもやっていました。今はなかなかできない状況ですけども、やっぱり戯れて遊びたいですよね。ただそういう中でもやはり基本的な感染対策が非常に大事だと思います。ウイルスは自らは飛んできません。人の手、人の唾液など、人が感染を広めているということです。ウイルスは直接目にすることができませんけれども、どこかにいます。それを自分自身にうつさないこと、あるいはひょっとしたら自分に付着しているかもしれないウイルスを他人にうつさないためにどうすればよいかということを、常日頃考えながら行動することが非常に大事です。1年くらい経って、基本的なことが分かってきています。完全に防ぐことは難しいけけども、リスクを避けることは十分できる。これはウイルスと人間の知恵比べ、我慢比べだというふうに思います。過去の感染症の歴史を見ても、決して負けていません。もちろん痛い目にあった歴史はありますけれど、人間は克服していますから現在ここに生きています。もし負けるとしたら自分たち自身が油断してしまうということが大きな原因となると思います。油断せず、常に注意しながら楽しむということをやっていただければと思います。
②副院長様より
普段の生活や学校でも、あれをするなこれをするなと制限をたくさん受けていると思います。
もちろん必要な制限もありますが、大事なのはなぜその制限が必要なのか、その制限がどういう風に役立っているのかといったことを、もう1年経っていますしこういう時に自分で調べて、自分の頭で十分に理解したり、そのことについて友達と意見交換したりすることだと思います。そしてだめなことばかりではなくて、やっていいことにも目を向けていくと、窮屈な思いだけではなくて、今までは重要性に気づけていなかったようなこと、日常の、当たり前だったことがすごくありがたく感じるようなことも見つかると思います。そういうものにも目を向けて、頑張ってください。
③副院長様より
やっぱり若い人はかかりにくかったり、重症化のリスクが低いということが分かってきましたけれども、変異株に関しては若年の人もかかりやすいということが言われていますので、手洗いや、お互いにマスクをすることによって、濃厚接触という危険な接触を、お互いが気を遣って避けて、感染リスクを下げてほしいと思います。できることの中で友情を深めあえる方法を、若い人の柔軟な発想で考えてもらえれば、決してマイナスばかりにはならないと思います。
④看護部長様より
職業は看護師ですが普段、災害などの時に自分も何かできるかなと考えてもなかなか行動に移せないことが多いですけれども、今回、行動に移されたことはすごくありがたいなと思います。600人以上の方々からメッセージをいただけたことは貴重ですし、読ませてもらうのをすごく楽しみにしています。皆さんにすぐできることとしては、自分自身の体調の変化を感じたら、無理して学校に行ったりせず、しっかり休むということがすごく大事です。若い人は罹患しても乗り越えられてしまうことが多いですが、皆様のおじい様おばあ様や周りの方々など、乗り越えられない方に知らない間にうつしてしまう病気なので、少しだるいとか熱があるという時に決して無理をせず、しっかり休むということは、皆さんでもできるとても大切なことだと思います。
⑤事務長様より
(コロナがなければ)本当は楽しい学校生活の1年だったと思いますが、新型コロナウイルス感染症が流行ってなかなか学校に行けない、友だちとも直接会って話もできない、学校帰りにお茶をしたりということもできなくて、厳しい1年だったのかなと思います。ただそういう中で社会に目を向けていただいてこういう行動を取っていただけたことは、外的環境の変化もあるかと思いますけれども、大変ありがたいと思います。なかなか会う機会も少なかったと思いますが、やっぱり一緒に苦労した仲間ということで、その横のつながりを引き続きしっかり作っていただきたいです。いつかこの苦労を振り返って、楽しく話ができるようになることを我々も祈っています。若い人は今までは感染が少なかったですけども、変異株に関しては若い人も感染リスクがかなりあるという報道がありますので、まず皆さん自身が感染しないこと、他人にうつさないという基本的なことをしっかりやっていただいて、4月以降もぜひ色んな所で活躍していただきたいです。
⑥課長様より
高校生活、短い3年の中でこういうちょっと辛い時期を過ごしているのはなかなか難しいと思いますが、こういう時期だからこそできることもありますし、将来みんなで集まった時に、いい思い出として話せる時期も来ると思うので、そういう時のためにも今できることに取り組みながら、高校生活を楽しんでいただければと思います。今日はありがとうございました。
⑦課長様より
最初にこの寄せ書きと募金の話を聞いたとき、学校から言われて行動を起こされたのかなと実は思っていたんですけれども、自分たちから問題意識をもって、実行に移されたということで本当にありがたいと思いますし、素晴らしいと感激しました。周りのみんなを巻き込んで寄せ書き等作っていただいたということは、社会に出ても役立つし、仕事にも生かせると思います。ちょっとしたそういう行動が、社会にとって大きないい影響を持つということを友だち同士でも話していただけると、よりよい社会につながっていくのかなと思いました。逆に学ばせていただきました。ありがとうございました。
これまで生徒代表とやり取りを重ねて下さった東京都保健医療公社事務局の方からも、訪問翌日に以下のメッセージをいただきました。
寄せ書きの方は全て拝見させていただきまして、医療従事者への温かい励ましのお言葉、大変ありがたく思いました。さっそく他の病院にも寄せ書き(スキャンデータ)を共有させていただきます。病院現場の方々はとても喜ぶと思います。また募金につきましても、生徒様をはじめとした関係者様からのお気持ちとして、ありがたく活用させていただきます。最前線で戦う荏原病院としましても、大変励みになる時間となったかと思います。公社を代表しまして、重ねてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
最後にこの活動の発起人からのコメントです。
最初は勇気を出せずに諦めようかと思ったこともあったものの、勇気を出して行ったこの活動で救われる人や命があると信じています。
また今回、多くの教職員の皆様方や本校の清掃員の方々、たくさんの1,2年生の生徒の皆さんや友達に支えられて、無事に終えることができました。ご協力いただき本当にありがとうございました。
2-6 松下 優太