数学教育に革新を!
関東一高流「Geogebra活用術」
Google認定教育者資格を持つ教員が30名在籍し、Google事例校にも選出された関東第一高等学校。そのICT活用教育の一端を担う数学科もまた、Chromebookを上手く活用し革新をもたらしています。 今回は、ChromebookとGeogebraを活用した数学科の長尾 航先生、遠藤遥先生に数学の授業について詳しく話を聞きました。
高校数学における関数分野の授業観
“数学と聞くと生徒たちには抽象的で理解しにくい科目と映るかもしれません。しかし本校の数学科では、そのイメージを覆せるよう試行錯誤で教育活動取り組んでいます。”
と、三角関数を教える遠藤遥先生は言っています。
“例えば、三角関数の指導で難しい部分は生徒たちに抽象的な概念や理論を具体的で直感的に理解させることです。特に生徒が角度と辺の比の関係性や、全体像を視覚化することは高校生にとって最初は難易度が高いと感じます。理系の生徒たちにとってもこの先の応用的な解析分野を学ぶ大きな土台となるので、問題を解く中での具体と抽象の往来経験の量をこなすことがとても重要だと感じています。
本時では、事前にGeogebraで変数を操作できるように教材を開発し授業に臨みました。Google Classroomで教材リンクを生徒にシェアするだけで、あっという間に手元で三角関数の基礎概念を再現可能となります。
具体的なイメージと抽象的な概念操作の連続こそが、生徒たちの三角関数分野習得を促進できると考えています。”
変数の条件によって変幻自在に具体的な図形のイメージをしなければならない関数学習。それがChromebookとGeogebraの力を借りてわかりやすく説明できるだけではなく、生徒たちが自分自身で触れ、調整し理解する学習活動へと進化しているようです。
高校数学でGeogebraを用いるメリットとは
“二次関数の学習において生徒たちは通常、二次関数のグラフがどのように変化するか開き方や位置、頂点の移動などについて難しいと感じるようです。Geogebraは、二次関数の形状推移を視覚的に示すことができるため非常に有用です。”
と、数学科主任の長尾 航先生は語ります。
長尾先生はGeogebraを用いた指導案や教材を普段から数学科教科会にて共有しています。
とりわけ1年生で学習する二次関数はその後の数学学習の要となる単元で、ここの習得の是非が高校数学全体の出来栄えを左右するといっても過言ではない分野だそうです。
“生徒たちは係数や定数を変更し、その結果グラフがどのように変化するかを即座に確認することができます。
この動的な可視化によって二次関数の性質や振る舞いについての直感的理解が得られます。従来では直感的理解を得られるまで、ノートに二次関数の問題の条件に合わせた場合わけを行い、図を何通りも描き、イメージを修正する作業でさえも難易度が高いものでした。
しかしGeogebraを用いると細部のイメージにかかる時間が短縮されます。抽象的な概念を具体的かつ直感的に、かつスピーディに理解できるので生徒たちの理解の助けとなります。”
と、長尾先生は言っています。
Chromebookは生徒たちがインターネットリソースやオンラインツールに簡単にアクセスできる点でも便利で軽量で持ち運びやすく、バッテリーの持ちも良いため授業中に使うのに適している。
今回は数学科の2人を紹介しましたがChromebook上でGeogebraのようなオンラインツール生徒たちが自分自身で選び、学習に活用できたなら難解な理論を学習するモチベーションにも大きく影響するのではないかと考えられます。それが最終的な関東一高の目指す姿です!