第83回新制作受賞作家展[絵画部]
本校芸術科(美術)の渡辺有葵先生は、本校での勤務とともに画家としても活躍されています。今回下記の作品展に作品を出品されていらっしゃいますので、お邪魔してお話をお伺いしました。
作品展:第83回新制作受賞作家展[絵画部]
会期:2020年2月3日(月)~2月8日(土)
時間:11:00-19:00(最終日17:00終了)
会場:シロタ画廊
〒104-0061 東京都中央区銀座7丁目10-8 B1F
tel:03-3572-7971
↑絵のタイトル:「浮遊するカタチの記憶(Ⅰ)」。音楽の感動など目に見えないものは重力から解放され無重力です。これを浮遊感として表現しました。また絵画はもともと具象絵画と抽象絵画に分かれていて、それらは水と油の関係にありますが、タブーをあえて破り1枚の絵画に具象的な部分と抽象的な部分を同時に描くことにも挑戦しました。さらに、油絵の絵の具の物質感を出すために絵の具を厚く盛って描いている箇所や、一方で写実的に描き絵の具が盛り上がっていなくても盛り上がっているように描き写真のようにリアルに描くことで質の違うエネルギーをコンポジションして画面をつくっています。
↑絵のタイトル:「浮遊するカタチの記憶(Ⅱ)」。先日、奈良の春日神社に行ったときに、鹿がたくさんいて「鹿が描きたい!」と思って描いた絵です。奈良には古墳や神社、お寺がたくさんあり日本が昔から動物や自然と共に暮らし神秘的なことを身近に感じて生きたのだなと感じて、現代を生きる自分たちにとって大切にしなければいけない感覚なのだと思いその象徴としても描きました。また、日本人は昔から色々なものを混ぜ合わせて文化をつくってきました。自分の作品も色々なモチーフや技法を混ぜ合わせたハイブリッドな絵画と言えるかもしれません。是非、会場に足を運んで実際の作品を見ていただけたら幸いです。
↑オープニングセレモニーであいさつをする渡辺先生。何を描けばいいかに関して悩み苦しみぬいたエピソードなどが話されました。
↑静岡県からいらっしゃったご両親との記念撮影です。
渡辺有葵先生より
関東第一高校ではこの1年間、個と向き合って制作する自己表現、次に他者を描く他己表現、そして他者から地域へと表現を広げていく美術の授業をおこなってきました。美術は自分で答えを見つけそれぞれの正解をつくっていく側面をもっています。生徒の多くが、ハッと驚くような自分らしさをもっていて自分としても勉強になりました。卒業してしまうと会えなくなり残念ですが自信を忘れずにそれぞれの道で活躍することを願っています。