令和8年度入学式
入試情報
令和8年4月7日(火)、市川市文化会館にて令和8年度入学式が行われました。
1015名の新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。
入学式 式辞
春のやわらかな光に包まれ、新たな息吹が感じられるこの良き日に、衆議院議員 大西洋平先生をはじめ、多数のご来賓の皆様にご臨席を賜り、令和8年度関東第一高等学校の入学式を挙行できますことは、新入生はもとより、私たち教職員にとりましても大きな喜びであります。 ご多用のところご臨席を賜りました。
皆様に、厚く御礼申し上げます。
そして、今日の主人公である1,015名の新入生の皆さん、改めて入学おめでとうございます。私たち全教職員と、1,690名の在校生一同が、皆さんを心から歓迎します。新たな環境でのスタートに、少し不安があるかもしれませんが、春の芽吹きのように、皆さん一人ひとりが成長し、花開くことを心より願っています。
さて皆さんは明日から学校生活が始まる関東第一高等学校の歴史を知っていますか。本校は1925年、地図帳で有名な帝国書院の創業者 守屋荒美雄先生と、初代校長 村上周三郎先生が出会い、「英知・聡明・平和を尊び、社会に敏感に反応し、国際社会で活躍し、生涯学び続ける生徒の育成」を教育理念に掲げ創立された学校です。本校は昨年、創立100周年という大きな節目を迎え、本年はその歩みを受け継ぐ「101年目の第一歩」を踏み出しました。今や東京屈指の伝統校であり、全国に誇る学校へと成長しています。今日から皆さんは、この伝統ある関東第一高等学校に入学したことに対して、自覚と誇りを持ってください。
では、この限られた三年間を有意義なものとするために、本日皆さんに一つ問いかけたい言葉があります。それは――「君たちはどう生きるか」という問いです。
この言葉は、作家の吉野源三郎さんが書いた著書のタイトルそのものです。この本の主人公「コペル君」は、自分の弱さや迷いと向き合いながら、失敗や葛藤の中でも「正しい」と思うことを選び取ろうとする姿が描かれています。高校三年間とは、まさにそのような時間です。本日はこの作品に触れながら、皆さんに三つの行動指針を示します。
一つ目は、「自分で考えること」です。
つまり、主体性をもって行動するということです。主体性とは特別なことではありません。授業で分からないことをそのままにせず問いを持つこと、挨拶や時間厳守などの基本を自分の意思で整えること、朝学習に継続して取り組むこと――こうした積み重ねが主体性を育てます。また、AIが身近になり、様々な問いに対して瞬時に答えが返ってくる時代となりました。しかし、その答えをそのまま受け入れるのではなく、「本当に正しいのか」と自分の頭で考え、最後は自らの良心に従って判断する姿勢を大切にしてください。
二つ目は、「他者を大切にすること」です。
人は一人では生きていけません。価値観の違いを認め、支え合う中で、人は大きく成長していきます。本校には、多くの中学校からさまざまな仲間が集まってきます。まるで異なる色や形のピースが集まって、一つの大きな絵を完成させるパズルのようなものです。最初は違いに戸惑うこともあるでしょう。しかし、その違いこそが新しい発見を生み、自分の世界を広げてくれます。だからこそ、仲間の存在を大切にしてほしいのです。さらに本校には、大会の決勝戦や甲子園球場、神宮球場で仲間を応援する伝統があります。声を出し、拍手を送り、心を一つにして支える――それもまた、本校らしい姿です。自分とは異なる立場や環境にいる人々の存在を理解し、尊重する「他者理解」の心を大切にしてください。
三つ目は、「最後までやり抜くこと」です。
志を高く持ち、目標の達成に向けて途中であきらめず、小さな努力を積み重ねること。その継続こそが、自分自身を確かなものにしていきます。本校には、四か国六都市・七つの国際交流プログラムをはじめ、部活動、委員会活動、英語検定など、多様な挑戦の機会が用意されています。後はそれに向き合い、一歩を踏み出すかどうかです。高校生活では失敗することもあるでしょう。しかし、心理学者アルフレッド・アドラーの言葉を借りれば、「人は困難を克服する勇気を持てる存在だ」と説いています。大切なのは、結果ではなく課題から逃げずに向き合う姿勢です。失敗を言い訳にせず、自分の成長の糧として受け止め、最後までやり抜くこと。その積み重ねが、やがて大きな自信となり、未来を切り拓く力となるのです。一つにして支える――それもまた、本校らしい姿です。自分とは異なる立場や環境にいる人々の存在を理解し、尊重する「他者理解」の心を大切にしてください。
この三つの積み重ねの先にあるもの――それが本校の校訓「貫行」です。「貫行」とは、信念を貫き通し、実行し続けること。困難の中にあっても最後までやり抜く生き方そのものを意味しています。吉野源三郎氏が問いかけた「君たちはどう生きるか」。その答えは、これからの三年間、皆さん自身が見つけていくものです。
校訓「貫行」を胸に刻み、
自ら考え行動する主体性、
周囲を思いやる他者理解、
そして困難から逃げずにやり抜く心、
この三つを大切に、充実した三年間を過ごしてください。皆さん一人ひとりの三年間が、かけがえのない成長の物語となることを、私は確信しています。
結びに、保護者の皆様にご挨拶申し上げます。本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。今日からお子様は「チーム関東第一高等学校」の一員です。この出会いを大切にし、生徒の皆さん、教職員、そして保護者の皆様が三位一体となって、お子様が立派に成長できますよう環境を整え、三年後、
生徒の皆さんからは「この学校に入学して良かった」と
保護者の皆様からは「この学校に入学させて良かった」と
心の底から感じていただけるよう、全力で支えてまいります。どうぞ三年間、よろしくお願い申し上げます。
では新入生の皆さん、明日からいよいよ学校生活が始まります。安心して登校してください。この高校生活という真っ白な キャンバスに、皆さんがどんな答えを描いていくのか、私たちは楽しみに見守っています。新入生の皆さんが素晴らしい高校生活を歩めるよう祈念し、式辞といたします。
令和8年4月7日 関東第一高等学校 校長 乙幡和弘