令和8年4月8日(水)令和8年度1学期始業式を校内放送にて行いました。




式辞
皆さん、おはようございます。校長の乙幡です。今日から令和8年度、新しい一年が始まります。春は「出会い」の季節です。新しいクラス、新しい先生、新しい仲間、新しい環境。期待と同時に、不安もあるかもしれません。しかし、この変化こそが、皆さんを成長させます。どうかこの春を、「楽しもう」とする気持ちで迎えてください。
1年生、2年生の皆さん。新しい仲間との出会いを、大切にしてほしいと思います。人は一人ひとり違います。考え方も、感じ方も、価値観も違う。時には、「合わない」と感じることもあるでしょう。しかし、その違いから目を背けてはいけません。なぜなら、違いとは「可能性」だからです。ここで一つ、紹介したい言葉があります。アメリカの公民権運動の指導者、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの言葉です。当時のアメリカでは、人種による差別が色濃く残り、黒人の人々は平等な権利を十分に認められていませんでした。そうした状況を変えようと、多くの人々が立ち上がり、平和的な運動が広がっていきました。その象徴となったのが、1963年にワシントンで行われた大規模な集会です。
キング牧師はその場で、人々の前に立ち、未来への希望を語りました。
この言葉は、不平等な現実を乗り越え、誰もが尊重される社会を願って発せられたものです。
彼はこう語りました。
「I have a dream that my four little children will one day live in a nation
where they will not be judged by the color of their skin
but by the content of their character."」
「私には夢がある。いつの日か、私の4人の子どもたちが、見た目ではなく、その人の人格によって評価される社会に生きるという夢がある」
この言葉は、私たちに何を問いかけているのでしょうか。それは、人を“表面”で見るのではなく、“中身”で見ることの大切さです。学校生活の中で、私たちは知らず知らずのうちに、見た目、印象といった“分かりやすいもの”で人を判断しがちです。しかし、本当に大切なのはそこではありません。 どれだけ努力しているか。どれだけ誠実に向き合っているか。どんな姿勢で毎日を生きているか。その人の価値は、見えにくいところにこそ表れるものです。だからこそ皆さんには、違う価値観を否定するのではなく、受け止めてほしい。「そういう考えもあるのか」と一歩引いて考えること。それができる人は、 確実に成長していきます。
続いて、3年生の皆さん。いよいよ、進路を決める大切な一年です。そして、部活動においても集大成の一年です。まさに、夢を現実に変える一年です。ここで、もう一つキング牧師の言葉を紹介します。
「Now is the time」
「今こそ、(その理想を現実にする)そのときだ。」
この言葉もまた、人種差別が続く厳しい現実の中で語られたものです。多くの人が「いつか変わるだろう」と願いながらも、現実はなかなか動きませんでした。
しかしキング牧師は、「待つだけでは社会は変わらない」と強く訴えました。
だからこそ彼は、「今こそ行動する時だ」と人々に呼びかけたのです。
この言葉には、未来を切り開くのは“今の一歩”であるという強い決意が込められています。
この言葉を、ぜひ自分自身に向けてください。今、この瞬間から動くこと。
それができるかどうかで、この一年の結果は大きく変わります。自分は何を目指すのか。どこへ向かうのか。その目標を、改めて見つめ直してください。そして、覚悟を決めてください。思い通りにいかないこともあるでしょう。努力が結果につながらず、不安になることもあるはずです。しかし、そこで立ち止まってはいけません。夢は、一度の努力で叶うものではありません。日々の積み重ねの中で、少しずつ現実になっていくものです。だからこそ、簡単にあきらめないでください。キング牧師がそうであったように、信じたものを持ち続け、歩み続けること。それが、未来を切り開く力になります。今日から、 朝の時間をどう使うか、放課後の時間をどのように有効活用するか、土日祝日をどこで学ぶか、授業にどう向き合うか、部活動にどこまで本気で取り組むか、試合に勝つためにどう技術を向上させるか、全国大会に出るためにあと何が必要なのか。その一つひとつの選択が、確実に皆さんの未来を形づくっていきます。大きな成果は、日々の当たり前の積み重ねの先にしかありません。
だからこそ、「これくらいでいいだろう」と自分に甘くなるのではなく、「もう一歩やってみよう」と自分を奮い立たせてください。その姿勢が、最後の最後に大きな差となって現れます。
最後に、一つの言葉を贈ります。
「春風や 闘志いだきて 丘に立つ」(高浜 虚子)
春の風を受けながら、遠くを見つめ、しっかりと立つ姿。それはまさに、今、 新しいスタートに立っている皆さんの姿です。これからの道は、決して平坦ではありません。しかし、顔を上げ、遠くを見据え、自分の足でしっかりと立ってほしい。この一学期が、出会いを大切にし、違いを受け入れ、自分を磨き、夢に向かって進み、学校生活が充実した時間になることを期待しています。
皆さん一人ひとりの成長を、心から願い 校長式辞とします。
ありがとうございました。